Microsoftは、2026年10月のWindowsセキュリティ更新を適用した一部のオンプレミスExchange Serverで、Outlook on the web(OWA)へのサインインやメール送信ができなくなる問題を公表しています。Windows release healthには、米国太平洋時間10月16日16時19分(日本時間10月17日8時19分)に既知の問題として登録されました。
対象OSにはWindows Server 2016、2019、2022、2025が含まれます。Exchange本体の10月のセキュリティ更新を適用していなくても発生し得るため、OS側の更新履歴と症状を照合することが切り分けの出発点になります。10月19日の確認時点で、公式の状態は「Mitigated(緩和策あり)」です。
OWAのログイン失敗、Outlookの送信トレイ滞留などが発生
Microsoftの既知の問題ページでは、次のような症状が説明されています。
- OWAへサインインできない。
- Outlookで送信したメールが送信トレイに残り、配信されない。
- メールボックスのレプリケーション時に、メールボックスへアクセスできない。
- メールキューが増加する。
一部の構成では、OWAでMapiExceptionMdbOfflineが発生します。その際、エラー値hr=0x80004005, ec=1142や、アプリケーションログのイベントID 1006が確認される場合があります。これらは公式に挙げられた手掛かりですが、同様の症状には別の原因もあるため、エラーだけで本件と断定しないようにしてください。
| 確認項目 | Microsoftが公表した内容 |
|---|---|
| 対象サーバーOS | Windows Server 2016 / 2019 / 2022 / 2025 |
| 報告されたExchange製品 | Exchange Server 2016 / 2019 / Subscription Edition |
| Windows Server 2025の起点となる更新 | 2026年10月13日公開のKB5126646、OSビルド26100.33650 |
| Windows Server 2022の起点となる更新 | 2026年10月13日公開のKB5126655、OSビルド20348.5761 |
| クライアントOS | 本件の対象プラットフォームとしての記載なし |
| 確認時点の対応状況 | Mitigated。調査継続中、暫定対処とサポート経由の追加緩和策を案内 |
Windows Server 2019と2016には、表のKB番号を当てはめず、それぞれのOSに対応する10月の更新履歴を確認してください。なお、表の対象OSとExchange製品は、すべての組み合わせがサポート対象の構成であることを示すものではありません。
Endpoint Mapperの既定上限が高負荷時に不足する可能性
Microsoftによると、10月のWindows更新では、RPCの接続先情報を扱うEndpoint MapperがEndpoint Lookup呼び出しを処理する際のメモリ使用量に、既定の上限が導入されました。この制限の下で、同時に処理するEndpoint Lookup呼び出しの既定上限は512と説明されています。
Exchange Serverのような環境では、高負荷時にこの上限が不足する場合があります。Microsoftは、レジストリ設定によって同時呼び出し数の上限を引き上げる暫定対処を案内しています。設定を引き上げるとEndpoint Mapperが使えるメモリ量も増えます。運用上は、変更後の負荷とリソース使用量も確認するとよいでしょう。
公式の対処手順とサポート窓口
具体的なレジストリ設定は、release healthからリンクされているExchange Teamの障害案内を確認してください。Microsoftは、影響を受ける機器向けの追加の緩和策について、Microsoft Support for businessへの問い合わせも案内しています。
運用担当者は、まず発生時刻、OSとExchangeのバージョン、適用したWindows更新、イベントログ、メールキューの状態を記録してください。そのうえで、公式手順の最新内容と自環境の条件を照合し、変更前のレジストリのバックアップ、作業時間、変更後の送受信テストを準備するとよいでしょう。
「緩和策あり」は恒久修正の提供完了とは異なります。公式ページでは調査継続中とされているため、暫定対処後も問題の状態や更新情報を追う必要があります。
旧Exchange製品では移行計画も確認
Exchange Server 2016と2019は、2025年10月14日にサポートを終了しています。Microsoftの移行案内では、Microsoft 365やExchange Server Subscription Editionへの移行を推奨しています。Exchange Teamは別途、両製品の延長セキュリティ更新(ESU)プログラムが2026年10月に終了する旨の告知を公開しています。
Exchangeの脆弱性対策については、関連記事「オンプレExchange ServerのCVE-2026-42897」も参照してください。
参考情報
- Microsoft: Windows Server 2022 release health
- Microsoft Exchange Team: Exchange 2016 / 2019 ESUプログラム終了の告知
- Microsoft: Windows Server 2025 release health / Exchange ServerでOWAやメール送信が利用できない問題
- Microsoft Exchange Team: 2026年10月のWindows更新後のExchange不安定化に関する案内
- Microsoft: Exchange Server 2019 / 2016のサポート終了と移行案内
本記事は2026年10月19日時点で確認できた情報に基づきます。

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